ある日、だんなさんがおいしいよと言って丸いものをくれました。
「あっ、シュークリームだ!」
タマコの目は星のように輝きます。
だんなさんがくれたのはピンポン玉くらいの大きさのプチシューでした。
日本にいたならば、シュークリームなんて珍しくもなくて別段感動もないのでしょうけれど、石家荘では「スイーツ」全般手に入りにくいのです。
私もバナナケーキとかリンゴケーキとか、自分で工夫して何とかスイーツを食べようと努力していたのですが、シュークリームはシューが膨らまなかったと言うトラウマのせいで作ったことがありませんでした。
そこへ、市場のパン屋さんで売り出したシュークリーム。名前は「泡芙」。
1斤10元(500g約150円)。
その日の大きさにもよりますが、だいたい2元(約30円)で5-6個買えます。
私は泡芙がとっても気に入りました。フカフカで、甘くて、コーヒーと般配(タマコ意訳:よく合う)。
風邪引いてうんうんうなっている時だって
「何食べたい?」
と聞かれたら「泡芙」と答えるくらいです。[その時の模様:風邪を召した]
でも好きになっちゃった度合いはだんなさんのほうがすごかったみたいです。
私が熱を出して転げていると、だんなさんが泡芙を1斤も買って来てくれました。1斤の泡芙は壮観です。ビニール袋がパンパンにふくらんで、ボールみたいです。
でも私は熱のせいで何も食べる気が起こりません。それでも1個泡芙を食べました。
しばらく寝て夜11時頃に起き出すとだんなさんが泡芙を食べていました。
「けっこう食べちゃった」
と言って見せられた袋には、あんなにたくさんあった泡芙が半分くらいしかありませんでした。
きっとあれは私の分に違いない。早く風邪を治そう。
そう思ってまた寝ました。
次の日、具合もだいぶ良くなってだんなさんに