あんまり暑いのでだるーんとなっていたらだんなさんが「今日は外でご飯食べようか」と言ってくれました。
「羊肉串がいい」
羊肉串は、ひつじ肉ではなく実はヤギ肉で作られているのではないかと言う疑惑のある、焼鳥のような食べ物です。炭火焼です。香辛料がきいています。
「タマコが食べたいものでいいよ」
優しいだんなさんの答えに、タマコは思わずガッツポーズ。
「よっしゃー!生ビール!!」
それって羊肉関係ないじゃん、とだんなさんのつっこみが遠くで聞こえたような気がします。
だってだって、目をつけていたんです。生ビール、じゃなくて、羊肉串に。
市場の周りの改築工事が進んで、通り沿いは古い建物が全部壊されてでっかい穴が開いています。何をする途中なのか分かりませんが、突然そこで工事が止まってしまいました。
そんな荒野のようなところに羊肉串の屋台が進出してきたのです。夏になると向こう側の歩道に出ていた屋台たちです。
荒野は広いので、テーブルもいい感じに並べて、裸電球つるして、ちょっとしたビアガーデンみたいになっています。
もう、ビール好き好きタマコにとっては胸躍る光景です。
「冷たいビールね!」
と生はぬるいかもしれないから、瓶ビールを頼んでうきうき。
隣の席のどこかの学生が樽に入った生ビールを頼んで「これ古いんじゃないの?ぬるいよ!」と文句を言っています。
あはは、そんなこともあるのだよ。だから私たちは瓶なのだ。