日買い物に行ってバスに失敗し、ひたすら歩くはめになった時のこと。
歩いていると、ひよこ屋さんがいました。
小型犬用の檻みたいのに、無数のひよこがひしめいています。ぴよぴよ言ってかわいいです。
するとだんなさんが私に暗示をかけ始めました。
「ほら、たま子。ひよこ飼うとかわいいよ。たま子のあとぴよぴよぴよってついてくるよ。ベランダで洗濯物干している時も足元でぴよぴよ言うよ。洗濯機のところに戻るときもずっとついてくるよ。」
私は胸がきゅんとしました。
後ろ髪だか前髪だかりんごだか忘れたのですが、とにかく初恋のようです。
それ以来、だんなさんの呪いのおかげで私はひよこを飼いたくてしかたがありません。
ひよこひよこひよこ。
右脳のほとんどをひよこに侵食されて過ごしていた、ある日の夜。窓の外から「にゃあにゃあ」と猫の泣き声がします。窓から見ても暗いので何も見えません。
だんなさんと二人で外に見に行きました。
すると工事中で掘り返された道の向こう側に子猫がいます。こっちに渡りたいのだけれど、穴は1メートル近くあるので渡れないのです。それでにゃあにゃあ言っているのです。
私が「にゃあにゃあ」と言うと、仲間がいると思ったのか勇気を出して穴に飛び降り、何回も失敗しながらこっち側に上ってきました。