「すぐ行くよ。」
ってな返事です。
すると本当にすぐ来ました。チャイムが鳴ったのでドアを開けると、来たのは修理責任者ではありません。
ひょろっと背の高い若者です。少し眺めの前髪を七三分けにしています。白いワイシャツに黒のパンツ。先のとがった革靴。ネクタイこそしていませんが、どう見ても「サラリーマンかホテルのベルボーイが休憩中でちょっと上着を脱いだ」と言う風情です。
私はぼんやり彼を見上げました。
誰、この人?
でも便座持ってるから修理屋さんだろう。
彼はそそくさとトイレに入ると、便座を取り替えたり水タンクのふたをはずしていろいろしたり、仕事しています。
彼の後姿を眺めていると、
「ホテルでトイレが使えなくなり、フロントに電話したらボーイが見に来た。」
か
「トイレが壊れたので会社に電話したら営業の人がちょっと見に来た。」
と言った感じです。
彼はトイレを直すと
「直ったよ。」
と言ってすぐ帰りました。