「ぶつかったんだよ。」
とだんなさんが言いました。
前を見ると、タクシーの前に乗用車が停まっています。タクシーが乗用車の後ろにぶつかったのです。みんなあちこちぶつけたくらいで、怪我はありませんでした。
運ちゃんが別のタクシーの運ちゃんに話をつけてくれて、私たちはそっちのタクシーに乗り換えました。もちろん私はさっきと同じくだんなさんのひざの上に乗りました。でもやはり何のつっこみもありません。
さっきの運ちゃんは乗用車のお兄さんに修理費を払わなければならないのか、売り上げの札束を持っていました。連絡先も聞いていました。
その後は無事に会場につくことができましたが、中国に来て事故にあったのはこれで2回目です。
1回目は、バスの運転手が携帯で電話しながら走っていたらスクーターにぶつかったのです。私はその時ちょうど、運転手の後ろの席に座っていました。衝撃は少なかったですが、びっくりしました。どうなるのかと思っていたら、バスの運ちゃんは窓から顔を出してスクーターに
『没事[ロ巴]!』(問題ないっしょ)
と言ったので、私はびっくりしました。もっとびっくりしたのはスクーターの人が
『没事、没事!』(ああ、問題ない問題ない)
と答えてまた走って行ってしまったことです。中国で事故に遭うと『没事』の一言で片付けられてしまうのかと思い、恐怖を感じました。
さらにすごかったのは、それでこりたはずの運ちゃんがまた携帯電話をかけ始め、