日本語の「孝行」は中国語では名詞として使われます。一般に「〜に孝行する」と言いたい場合は「孝順〜」と言い、「父母に孝行する」と言いたい場合は「孝順父母」と言います。
中国の学生はよく、「親のために勉強し、親のために働く」ということを口にします。更には、「親が寂しくならないように将来は親と一緒に住みたい」という人までいます。日本では稀ですね。日本では、「自分のために」とか、「早く親から離れたい」という人がほとんどではないでしょうか。
そのことは、中国人が日本人よりも親孝行ということにすぐに直結することではありません。それには文化的背景や習慣が違っていることが大きな原因があります。
まず日本を見てみましょう。日本のこともは便利で快適な環境で育ち、高校までは親と暮らし、大学でようやく家を離れます。親との同居期間が長かったせいか、また贅沢な暮らしをしてきたせいか、「親ウザい」、「自由になりたい」と言って家を離れていくのです。
一方中国はどうでしょうか。中国のほとんどの大学生は農村、田舎の出身です。その数は学生全体の7、8割を占めます。農村部では都市部と比べ貧困層が多く、贅沢な暮らしはできません。小さい頃から切り詰められた生活をおくっているため、金銭面では非常にシビアだと言えます。また多くの子供は中学から家を離れて学校での寮生活となり、それは高校、大学と続きます。中学生であっても精神的に早く自立しなければならないのです。そのため親の子供に対する関心も日本と比べ強いかもしれません。ちょうど現代の大学生は一人っ子政策が始まった頃生まれた年代です。親はその一人の子供に一心に注意を傾けます。子供のために何でも世話をしてあげ、特に将来子供が出世するために大学進学に力を注ぎます。そのように育った子供は親に対する感謝の念は絶えません。
子供の親への関心は、早くから自立を迫られたことからくるもの、感謝からくるもの、そして過保護に甘やかされて育ち親離れできなくなった結果からくるものの3つの面をもっていると言えます。
以上のことから、日本人にとっての「親孝行」という感覚と、中国人にとっての「親孝行」という感覚は全く違っています。中国をよく知る人が、「中国人は日本人よりも家族や親を大事にしているなあ」と感じるのはそういう理由です。
今の日本の子供に必要なことは、中国の子供が小さい頃から精神的に自立を迫られるように、早い時期から鞭に打たれることなのではないでしょうか。自殺をしたり、いじめたり、登校拒否になったり、親を親とも、先生を先生とも思わなくなっている子供が増えてきたのは、家庭からの鞭、学校からの鞭が減ってきたからなのです。そういった子供が増え、社会にでていけば日本はどうなるのでしょうか。ニートの増加、転職祭り、教師の不祥事・・・問題はたくさんあります。
今の日本に必要なことはまさにこの一言に尽きます。
棒打出孝子
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